冷や汁は宮崎県の代表的な郷土料理です。東国原知事も大絶賛。暑い夏には毎日食べたいですね。作り方や食べ方は100の家庭があれば100通りあるといわれるほど各家庭伝統の料理です。そんな冷や汁の作り方・食べ方をご紹介します。
冷や汁とは、宮崎県の代表的な郷土料理です。冷や汁の起源は鎌倉時代で、鎌倉管領家記録に「武家にては飯に汁かけ参らせ候、 僧侶にては冷汁をかけ参らせ候」と記されています。僧侶によって全国に流布したのがほとんどすたれ、気候風土に適していたと思われるところにのみ残ったとされています。宮崎県もその1つで、土地土地のアレンジを加えて今日でも特に夏の料理として大変好まれています。
昔、農家の人々の朝は早く、簡単な食事を取ってすぐに牛馬用の草を刈りに出かけました。そのときの食事は、昨晩の夕飯の残り物を味噌と混ぜ合わせ、水に溶かし、麦飯にかけたものがほとんどでした。一方、漁師の家の冷や汁は、明治の終わり頃は「ぬく汁」だったようです。男が漁に出ている間に女が家で白身の焼き魚と焼き味噌を合わせておき、忙しいときには、それをお湯でといて麦飯にかけて食べていました。
冷汁は忙しい農漁村の生活の知恵であり、即席で栄養が取れる食事として定着していました。
「冷や汁」には郷土料理としての統一されたレシピというものは存在しませんし、また統一された食べ方も存在しません。特別な材料も技術も必要ありません。本当に気軽に誰でも作れてしまいます。さまざまな材料、作り方がありますが、ここでは代表的なレシピをご紹介します。
【冷や汁 いりこ】4人前
<材料>
いりこ 50g
白ごま 30g
みそ 40g
湯 3カップ
木綿豆腐 1/2丁
きゅうり 1本
しその葉 5枚
みょうが 2本
小ねぎ 適量
麦ご飯
<作り方&食べ方>
@ 腹わたをとったいりこを、電子レンジで2分加熱する。
A 白ごまを丹念にいる。
B すり鉢で少し冷めたいりこをする。粉末になったら、ごまを加えて半つぶし位にする。
C みそを入れてよく混ぜるあわせる。
D 沸騰した湯を少量ずつ加えてのばしていく。のばしながら豆腐を適当な大きなに切って入れる。
E きゅうりの薄い輪切り、しその葉の千切り、小ねぎを細かく刻んだもの、みょうがの薄切り 以上を冷や汁に入れる。
F あつい麦飯に冷や汁をなみなみと注ぎ込み、一気にかきこむ。
【冷や汁 あじ】4人前
<材料>
小あじ 3匹
白ごま 大さじ6
みそ 120g
出し汁 5カップ
木綿豆腐 1丁
きゅうり 1本
しその葉 5枚
みょうが 2本
小ねぎ 適量
麦飯
<作り方&食べ方>
@ あじを素焼きにし、頭と骨をとり、身をほぐす。このとき、できるだけアツいうちに作業をしないと身が取れにくくなる。あじの頭と骨と出し昆布を入れてダシをつくる。
A 白ごまはよくいっておき、豆腐は軽く水切りしておく。
B すり鉢でいったごまをすり、みそを混ぜ合わせてさらによくする。その後すり鉢に広げて、すり鉢を逆さにしてみそとごまを直接火にあてる。焦げ目がついたら、火からおろしてほぐしたあじの身を加えて混ぜ、@で作ったダシ汁を少量ずつ加えてのばしていく。のばしながら適当な大きさに切った豆腐を入れる。
C きゅうりの薄い輪切り、しその葉の千切り、小ねぎを細かく刻んだもの、みょうがの薄切り 以上を冷や汁に入れる
D あつい麦飯を器に盛り、冷や汁をかけて、熱さと冷たさの絶妙なバランスを楽しみながら一気にかきこむ。
いりこやアジなどオーソドックスな冷や汁以外にも、いろいろな種類の冷や汁があります。そんなちょっと変りダネの冷や汁を紹介します。
【冷や汁 牛乳】4人前
<材料>
いりこ 50g
白ごま 20g
落花生 20g
みそ 50g
出し汁 2カップ
牛乳 1カップ
木綿豆腐 1/2丁
きゅうり 1本
しその葉 3枚
小ねぎ 適量
麦飯
<作り方&食べ方>
@ 頭とはらわたを取ったいりこを、フライパンでカリカリになるまでいる。白ごまと落花生も風味が出るまでいる。豆腐は軽く水切りしておく。
A いったいりこ、白ごま、落花生が十分さめたところですり鉢に入れ、よくする。その後さらにみそをすり鉢に入れよくする。すったものをすり鉢の中でひろげる。すり鉢を逆さにして直接火にあて、焦げ目をつける。焦げ目がついたらダシ汁を少量ずつ加えてのばし、ここで『牛乳』を加えてよく混ぜる。豆腐は適当な大きさに切って入れる。
B きゅうりの薄い輪切り、しその葉の千切り、小ねぎを細かく刻んだものを入れて混ぜ、冷蔵庫で冷やす。
C あつい麦飯を器に盛り、白みがかった冷や汁を麦飯が見えなくなるまでたっぷりとかける。そして、すすりながら流し込むように一気に食べる。
【冷や汁 ピリ辛】4人前
<材料>
いりこ 30g
唐辛子 1本
白ごま 30g
みそ 100g
湯ざまし 4カップ
木綿豆腐 1/2丁
きゅうり 1本
しその葉 5枚
みょうが 2本
小ねぎ 適量
切干し大根寒漬け 1本
麦飯
<作り方&食べ方>
@ 頭とはらわたをとったいりこと唐辛子を一緒に電子レンジで2分加熱し、十分に冷ましておく。白ごまは風味が出るまでいる。豆腐は軽く水切りしておく。
A 十分に冷ましたいりこと唐辛子をすり鉢でする。唐辛子はすり鉢に入れる前に種を取っておく。すり終わったら皿に取る。次に、白ごまをすり、その後、皿にとっておいたいりこと唐辛子も加えて更にする。みそを入れてよくする。すこし熱めの湯を少量ずつ加えてのばす。豆腐を適当な大きさに切って入れる。
B きゅうりの薄い輪切り、しその葉の千切り、小ねぎを細かく刻んだもの、みょうがの薄切り、水に戻した切干大根の薄切り 以上を冷や汁に入れる。
C あつい麦飯を器に盛り、冷や汁をたっぷりかける。むせない程度に一気にかきこむ。辛さは唐辛子の量で調節する。
以上、変わりダネのレシピでした。是非いろいろな味をお試しください。